「弇」の萌え点の3種類目を紹介します。

こちらです。
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(「蓋散歩びと」さん撮影)

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「暁の明星型」の萌え点です。

右側、中央下よりに点が鎮座しております。
この萌え点の場所は、かなり珍しいです。

・「ハンカチ落し型」のように字体の下部ではありません。

・「予想の斜め上型」のように字体の上部でもありません。

右側、やや中央よりに存在しています。
この位置は珍しいのです。

今まで紹介してきた萌え点のほとんどが上部か下部に出現しています。

字画の中にもともとあった点が、別の場所に移動した「移点」の場合でも、
新たに点が加えられた「加点」の場合でも、萌え点は右上か右下に
出現する場合が多いです。
今回のような萌え点は、あまり見る事がありません。
また、絶対数も少ないです。


さて、

地図上の東西南北において、東はおおむね右側に表記されています。
今回の萌え点は、水平に書かれた線の右側に出現しています。
萌え点直下の線は、まるで水平線か地平線のようです。

明け方の東の空に見える金星を「暁(あかつき)の明星」(明けの明星)と言います。
太陽が昇りきってしまうと見えなくなってしまいます。
明け方の短時間だけ見られる星です。

今回の珍しい萌え点は、この「暁の明星」とその出現や印象が非常に重なります。
「暁の明星型」と命名した由縁です。

あまり見ることはありませんが、この萌え点を目にした際には
天球に力強く・はかなくかがやく暁の明星を思い出さずにはいられません。



ちなみに、17-18世紀のオルガン曲に
ブクステフーデ「いかに美しきかな,暁の明星は」という作品があります。
うっとり。

「いかに美しきかな、暁の明星型の萌え点は」


次回は「道」の萌え点を紹介します。