「弁」という文字以外にも存在する萌え点を紹介したいと思います。

今回紹介するのは、「器」の萌え点です。
上水道には水量を測るために、量水器というものがあります。
その蓋で使われている漢字です。

「器」という文字の萌え点は2種類発見されているのですが、
まず1つ目、堕点使の尻尾型を紹介します。
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103_R0018592
堕点使の尻尾型 

 東京都板橋区加賀1丁目8番1号の公益財団法人野口研究所 入り口にある量水器の蓋です。
昭和21年から当地に存在する研究所ですが、戦前は軍の施設があった場所で、
蓋自体は何時から存在したのか特定できません。 

器の文字を構成する「大」の右側にご注目ください。
意図的に点があります。9画目に接してます。
「弁」の萌え点分類からすると、これは萌え尻尾型に分類されると一見思います。

参考:弁の萌え点である萌え尻尾型
005_R0027136

しかし、器には以下のような旧字(正字)があります。




です。

旧字(正字)のは、象形文字です。
「口」が4つと「犬」で構成された漢字です。

「口」は神様への祝詞をいれる
器を意味し、それらの
いけにえの犬をささげている形を元にしています。

現在でも人名用漢字として残っていますが、昭和21年に
当用漢字として



という字体になってしまいました。 

旧字(正字)の
器が使われた蓋
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097_R0027428

 
いう字体になってますね。

東京大学、浅野キャンパス 東京都文京区弥生2丁目11−1 の門の近くの蓋です。

堕点使の尻尾型は、この正字の器を構成する「犬」の点が下に落ちてしまった事により、
発生した萌え点なので、萌え尻尾型とは分類しません。
堕点使の尻尾型なのです。