前回は、「泥吐枡」という蓋に使われている「枡」 の萌え点を紹介しました。

今回は、「泥吐室」という蓋に使われている「吐」の萌え点を紹介します。

「泥吐枡」、「泥吐室」のどちらも上水道関連の施設で、役割も同じです。
管路に溜まってしまう異物・泥砂などを取り除く設備です。
詳細な差異は、勉強が足りずに把握しておりません。すみません。 

さて、「吐」の萌え点です。
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東京都北区の北本通り東側歩道にある蓋です。

拡大
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さらに拡大
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吐の字の右上にあるのが、
「予想の斜め上型」の萌え点です。 

弁の萌え点にもありましたね。
「予想の斜め上型」
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これです。
「弁」の場合は、2画目の点のすぐ右に萌え点が存在するので、
予想の斜め上でありながらも、妙に納得感があります。

しかし、「吐」の場合は、字体の中にいっさいの点が存在していません。
まさに「予想の斜め上」に、どしんと点がうたれています。

意外な事、この上無いです。 
「予想の斜め上型」と命名するにふさわしい萌え点です。


今回紹介した泥吐室の蓋ですが、良く見ると「工水」とあります。

これは「工業用水道」の略です。

もう少し新しいけど、そこそこ古い工水の泥吐室の蓋
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東京都北区神谷の環七陸橋の下にある蓋です。

工業用水道とは、 工場や事業所などに主に給水されている水道です。
地盤沈下の対策として始まった事業です。

工場などでくみあげる地下水の影響で地盤沈下が激しくなったため、
地下水利用抑制のために配水しています。
殺菌等の水処理をしていないので、飲用には用いられません。

東京都では、昭和39年8月に江東地区で給水を開始。
(墨田区、江東区及び荒川区の全域と江戸川区及び足立区の一部)

昭和46年4月には、城北地区でも給水を開始しました。
(北区、板橋区、葛飾区の全域と足立区の大部分)

工業用水の一部を雑用水として、昭和48年度からは雑用用途への供給を開始。
昭和51年度から集合住宅のトイレ洗浄用水としても供給を行っています。

なお、この事業は赤字なので、蓋の更新が捗らず古い蓋が今後も残っていくのではないかと
ひそかに期待しています。

次回は、吐の萌え点をもう1種類 紹介します。

今回紹介する萌え点は「枡」の萌え尻尾型の萌え点です。

上水道の設備に、泥吐枡というものがあります。
管路に溜まってしまう異物・泥砂などを取り除く設備です。
こちらです。
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都営地下鉄曙橋駅の近く、「みずも児童遊園」にある蓋です。

枡の字にご注目ください。
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枡の8画目の右下に点が1つ多いです。
「萌え尻尾型」の萌え点です。

萌え尻尾型の命名経緯については、以下の記事をご確認ください。
萌え点 「弁」萌え尻尾型

なお、この蓋の地紋から察するにそこそこ古い時代に設置された蓋と思われます。
さらにこの蓋以外に「枡」の萌え点は見つかっておりません。
貴重な蓋といえます。

次回は吐の萌え点を紹介します。

現在のところ器の萌え点は2種類しか見つかっておりません。

2種類目の萌え点はこちらです。
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器の萌え点「太い堕点使型」

前回紹介した、堕点使の尻尾型は、
「犬」の点が右に落ちてしまったものでした。

器の旧字(正字)は、という、口が4つと犬で構成された漢字です。
どちらも、旧字(正字)の中にある「犬」の点が落ちて萌え点となっています。

「太い堕点使型」は、点がど真ん中に落ちています。
そして、あろうことか点の位置が、「犬」→「太」になってます。
大胆です。

ドラえもんで、「のび太」が「のび犬」と言い替えられて
いじめられてましたが、変遷でいうとその逆パターンです。 
どうでもいい事を言いました。


さらにこの器の文字は略字です。
隣合う「口」が、くっつき合って省略の形になってます。


なお、上の写真は、新橋駅前SL広場に面した建物にあった蓋の写真ですが、
同じ蓋と思われるものが、王子駅中央口の立ち食いそば屋前にもあります。

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同じ鋳型で製作されているようです。
おそらく他にも沢山ある事と思います。


さて、現在のところ発見されている「器」の萌え点は紹介した2種類のみです。

しかし、近い将来、もっとシンプルな「堕点型」「堕点使型」「萌え尻尾型」が
発見される日がくるのではないかと思っております。
たのしみですね。

次回は「枡」の萌え点を紹介します。


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